はればれのコラム
賃貸アパート・マンションがゴミ屋敷になったら 入居者と大家それぞれの進め方
借りている部屋だからこそ、
早めの相談が、いちばん小さくすみます。

このページについて
このページは、片付けの事業者(株式会社ビッグパートナーズ/はればれ)が、法令と公的機関の資料をもとにまとめた一般的な情報です。法律の助言ではありません。個別の契約で何ができるかは、契約書の中身によって変わります。根拠は各節の出典に限ります。
賃貸の部屋で、まず押さえたいこと
持ち家と違い、賃貸の部屋は「借りている物」です。民法は、借りている人に次のような決まりを置いています。
| 決まり | 中身(民法) |
|---|---|
| 決まった使い方で使う | 借主は、契約やその物の性質によって定まった使い方(用法)に従って使わなければならない(第594条第1項。賃貸借には第616条で準用) |
| 返すときは元に戻す | 借りたあとに生じた損傷は、賃貸借が終わるときに原状に戻す義務がある。ただし、ふつうに使っていて生じた損耗と経年変化は除く(第621条) |
| 義務を守らないと解除されることがある | 相手が義務を果たさず、相当の期間を定めて催告しても果たされないときは、契約を解除できる。ただし、その不履行が軽微なときは除く(第541条) |
つまり、物がたまっていること自体よりも、においや虫、水漏れなどで部屋や建物が傷んだり、ほかの部屋に迷惑が出たりすることが、契約上の問題になりやすい、ということです。
出典:e-Gov法令検索「民法」(第541条・第594条・第616条・第621条)(2026年11月に確認)
国の「標準契約書」では、どう書かれているか
国土交通省は、賃貸住宅の契約書のひな型として「賃貸住宅標準契約書」を公表しています。使うことが法律で義務づけられているものではありませんが、多くの契約の考え方の土台になっています。ゴミ屋敷に関わる条文を抜き出すと、次のとおりです。
| 条文 | 中身(標準契約書の要約) |
|---|---|
| 修繕(第9条) | 借主は、修繕が必要な箇所を見つけたら、貸主に知らせて協議する。借主の責任で必要になった修繕の費用は、借主が負担する |
| 契約の解除(第10条第2項) | 使用目的を守る義務などに借主が違反し、相当の期間を定めて催告しても改まらず、契約を続けることが困難と認められるに至ったとき、貸主は契約を解除できる |
| 明渡し時の原状回復(第15条) | 通常の使用による損耗と経年変化を除き、借主が原状回復する |
| 立入り(第16条) | 貸主は、防火や建物の構造の保全など管理上特に必要なとき、あらかじめ借主の承諾を得て部屋に入れる。借主は正当な理由なく拒めない。火災の延焼を防ぐなど緊急のときは、承諾なしに入れる(不在時に入ったら、あとで知らせる) |
実際の契約がこのひな型どおりとは限りません。お手元の契約書を確かめてください。
出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版・家賃債務保証業者型)第9条・第10条・第15条・第16条(2026年11月に確認)
入居者の方へ:住みながら片付けるとき
「言わない」より「早めに相談」
物がたまっていることを管理会社や大家さんに知られたくない、と思うのは自然なことです。ただ、虫が隣の部屋に出ている、水漏れがある、設備が壊れているといった場合は、時間がたつほど被害も費用も大きくなります。標準契約書でも、修繕が必要な箇所を見つけたら貸主に知らせて協議することになっています。
マンション・アパートならではの注意
- ごみ置場の使い方(出せる量・曜日)は建物ごとに決まりがある。一度に大量に出すと他の入居者の迷惑になる
- エレベーターや廊下など共用部分を通って運ぶときは、管理会社に作業日を伝えておくと安心
- 市の臨時ごみや許可業者の収集を使うときは、収集車を停められる場所と、ごみを置ける場所を先に決めておく
- においや虫が強いときは、片付けの最中に共用部分へ広がらないよう、袋の口をしっかり縛る
退去が決まっているなら
退去日が決まっているなら、片付けと退去の立会いまでの段取りを逆算します。退去費用(原状回復)の考え方は、引越し・退去前の片付けにまとめています。
大家さん・管理会社の方へ:入居者の部屋がゴミ屋敷になったら
できること
- 1
状況を確かめる
においや虫、ほかの部屋からの苦情、ベランダや共用部分の様子など、外から分かることを記録します。
- 2
入居者と話す
責めるより先に、困りごとがないかを聞きます。ゴミ屋敷の背景には、体の衰えや気持ちの落ち込み、生活の困りごとがあることも少なくありません。
- 3
必要なら部屋を確かめる
標準契約書のような契約なら、管理上特に必要なときは、あらかじめ入居者の承諾を得て立ち入れます。火災の延焼を防ぐなど緊急のときを除き、承諾なしに入るのは避けます。
- 4
期限を決めて改善を求める
改善されないときは、相当の期間を定めて催告します。それでも改まらず、契約を続けることが困難と認められるに至ったとき、解除が問題になります。解除や明渡しは、弁護士などの専門家に相談して進めます。
- 5
行政・福祉につなぐ
入居者が高齢なら地域包括支援センター、大阪市なら区役所の「ごみ屋敷」相談窓口にも相談できます。
してはいけないこと
- 入居者の承諾なく部屋に入ったり、鍵を替えたりする(緊急のときを除く)
- 入居者の物を勝手に運び出したり捨てたりする … ごみに見えても入居者の持ち物です。法的なトラブルになりかねません
- ほかの入居者の前で責める・張り紙をする … 話し合いがこじれ、片付けが遠のきます
大阪市の条例では
大阪市の「ごみ屋敷」条例は、建物の所有者や管理者に、物を堆積させている人と協力して不良な状態を解消するよう努める責務を定めています(第5条)。市は、所有者や管理者に対しても、改善のための指導ができます(第7条第3項)。
出典:国土交通省「賃貸住宅標準契約書」(平成30年3月版・家賃債務保証業者型)第9条・第10条・第15条・第16条/大阪市「大阪市住居における物品等の堆積による不良な状態の適正化に関する条例」(本文)/大阪市「いわゆる『ごみ屋敷』に関する相談窓口」(2026年11月に確認)
片付けを進める順番
- 1
入居者と、何をどこまで片付けるかを決める
全部か、まず水回りと通り道だけか。期限(退去日・点検日など)があれば、それに合わせます。
- 2
ごみの出し先を決める
市の臨時ごみ・粗大ごみか、市の許可業者か。市によって制度が違います(対応エリアで市ごとにまとめています)。
- 3
片付け・分別・搬出
入居者の同意のもとで、残す物・手放す物を分け、市の分け方に合わせて袋に詰め、収集できる場所まで運び出します。
- 4
傷みの確認
物がなくなった部屋で、床や壁、水回りの傷みを確かめます。退去が決まっていれば、原状回復の話し合いはこのあとです。
はればれにできること
はればれは、入居者ご本人やご家族からのご依頼で、賃貸の部屋の片付け(仕分け・分別・袋詰め・同じ敷地内への搬出・簡単な掃除)を行います。大家さん・管理会社からのご相談も承りますが、片付けは入居者ご本人の同意があることが前提です。
原状回復の工事(壁紙の張り替えなど)、害虫の駆除、契約や明渡しの手続きは行っていません。
はればれは、ごみを車に積んで持ち帰ること(収集・運搬・処分)は行いません。他人の家庭のごみを仕事として集めて運ぶには、市町村の許可(一般廃棄物収集運搬業の許可)か市町村からの委託が必要で、はればれはどちらも持っていないためです。ごみの行き先は出たごみの扱いでご説明しています。
よくあるご質問
Qゴミ屋敷になっていることを、管理会社に伝えないといけませんか?
虫が隣の部屋に出ている、水漏れがある、設備が壊れているなど、建物やほかの部屋に影響が出ているときは、早めに伝えるほうが被害も費用も小さくすみます。国土交通省の標準契約書でも、修繕が必要な箇所を見つけたら貸主に知らせて協議することになっています。
Qゴミ屋敷だと、退去させられますか?
契約の義務に違反しているとして、契約の解除が問題になることがあります。標準契約書では、相当の期間を定めて催告しても改まらず、契約を続けることが困難と認められるに至ったときに解除できるとしています。個別の判断は、弁護士や自治体の法律相談に相談してください。
Q大家さんや管理会社は、勝手に部屋に入れますか?
標準契約書では、管理上特に必要なときは、あらかじめ入居者の承諾を得て立ち入れるとしています。入居者は正当な理由なく拒めません。火災の延焼を防ぐなど緊急のときは、承諾なしに入れるとされています。実際の契約書の定めを確かめてください。
Q大家として、入居者の部屋の片付けを頼めますか?
ご相談は承ります。ただし、部屋の物は入居者の持ち物なので、片付けは入居者ご本人の同意があることが前提です。
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