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セルフネグレクトとは? 気づくためのサインと、家族ができること

「困っていない」と言う人ほど、
助けが届きにくいことがあります。

公開日:2026年11月3日

セルフネグレクトとは

このページは、片付けの事業者(株式会社ビッグパートナーズ/はればれ)が、公的機関の資料をもとにまとめた一般的な情報です。医療・福祉・法律の助言ではありません。根拠は各節の出典に限ります。

セルフネグレクト(セルフ・ネグレクト、自己放任)とは、自分の身の回りのことや健康のことを、自分で放っておいてしまう状態のことです。食事をきちんととらない、お風呂に入らない、病院に行かない、部屋の掃除やごみ出しをしない、といった状態が続きます。

厚生労働省は、2015年の通知の中で、高齢者のセルフ・ネグレクトを「介護・医療サービスの利用を拒否するなどにより、社会から孤立し、生活行為や心身の健康維持ができなくなっている」状態と説明しています。

同じ通知では、セルフ・ネグレクトは高齢者虐待防止法の「虐待」の定義には含まれないものの、市町村や地域包括支援センターが、福祉・医療・警察などの関係機関と連携して対応している例があることが紹介されています。そして、生命や身体に重大な危険が生じるおそれや、孤立死に至るリスクを抱えていると注意を呼びかけています。

このページは、高齢の方のセルフ・ネグレクトについての厚生労働省の通知を中心に説明しています。

出典:厚生労働省「市町村や地域包括支援センターにおける高齢者の『セルフ・ネグレクト』及び消費者被害への対応について」(平成27年7月10日)(2026年11月に確認)

ゴミ屋敷との関係

セルフネグレクトの状態にある方の家は、ごみや物がたまり、いわゆるゴミ屋敷になっていることがよくあります。ごみを出す、片付ける、という日々の家事ができなくなるためです。

ただし、ゴミ屋敷がすべてセルフネグレクトというわけではありません。忙しさや一時的な体調不良で散らかっている場合もあれば、物を手放せないこと自体がつらい場合(ためこみ症など)もあります。部屋の状態だけでなく、食事や体調、人との関わりも合わせて見ることが大切です。

急いで連絡したほうがよいとき

次のようなときは、相談窓口を待たずに連絡してください。

こんなとき連絡先
呼びかけに反応がない、倒れている、意識がおかしい、ひどく具合が悪そう119番(救急)
暴力をふるわれる、身の危険を感じる110番(警察)
何日も連絡がとれず、家の中の様子が分からない119番・110番、または管理会社・大家さんに相談
急ぎではないが心配が続いている地域包括支援センター(高齢の方)、区役所・市役所の相談窓口

気づくためのサイン

離れて暮らす家族や、近所の方が気づくきっかけになりやすいサインです。いくつか当てはまるときは、早めに声をかけたり、相談したりすることをおすすめします。

  • 郵便受けに郵便物やチラシがたまっている
  • ごみが家の中や外にたまり、においがする
  • 同じ服を何日も着ている、髪やひげが伸びたまま
  • 食事をきちんととっていない様子がある(冷蔵庫が空、または傷んだ食べ物でいっぱい)
  • 病院や薬を嫌がる、具合が悪そうなのに受診しない
  • 電気・ガス・水道の料金や家賃を払っていない様子がある
  • 人と会うのを避け、訪ねても出てこない
  • 「困っていない」「放っておいて」と、手助けを強く断る

このリストは、気づくための目安です。当てはまる数で、病気かどうかやセルフネグレクトかどうかが決まるものではありません。

なぜセルフネグレクトになるのか

厚生労働省の通知では、セルフ・ネグレクトの状態にある高齢者には、認知症のほか、精神疾患・障害、アルコールに関する問題を抱えていると思われる方も多いこと、それまでの生活歴や病気・障害の理由から「支援してほしくない」「困っていない」と、関わりを拒むこともあることが書かれています。

きっかけ例
体や心の変化認知症、気持ちの落ち込み、病気やけがによる体力の低下、アルコールの問題
人とのつながりが切れる配偶者や親しい人を亡くした、退職して人と会わなくなった、家族と疎遠になった
お金の困りごと収入が減って、食事や医療、ごみの処理などにお金を回せなくなった
環境の変化引越しで知り合いがいなくなった、近所づきあいがなくなった

出典:厚生労働省「市町村や地域包括支援センターにおける高齢者の『セルフ・ネグレクト』及び消費者被害への対応について」(平成27年7月10日)(2026年11月に確認)

放っておくと起きること

  • 体調の悪化 … 食事や水分が足りない、病気が治療されないまま進む
  • 孤立死 … 誰にも気づかれないまま亡くなるリスクがある(厚生労働省の通知でも指摘)
  • 住まいの悪化 … ごみや物がたまり、虫やにおい、火事の危険が増える
  • ご近所とのトラブル … においや虫が広がり、苦情につながる
  • お金のトラブル … 支払いの滞り、消費者被害に巻き込まれる

家族ができること

責めずに、体のことから話す

「部屋を片付けて」より、「最近ちゃんと食べてる?」「体の調子はどう?」と、体や暮らしのことから話すほうが、受け入れてもらいやすくなります。

連絡の回数を増やす

電話や訪問の回数を少しずつ増やし、「気にかけている人がいる」と伝わるようにします。会えない日が続くときは、近所の方や管理会社に様子を聞いてもらえるよう頼んでおくのも一つの方法です。

家族だけで抱え込まない

ご本人が手助けを拒むと、家族だけでできることには限りがあります。早めに公的な窓口に相談し、専門の人に関わってもらうことで、ご本人も話を聞き入れやすくなることがあります。

片付けは、ご本人が決める形で

無断で片付けたり捨てたりすると、信頼を失ってしまいます。「つまずくと危ないから、通り道だけ」など、ご本人が納得できる小さな範囲から始めます。

堺市・大阪市で相談できるところ

相談先こんなときに
地域包括支援センター(堺市は小学校区ごとに担当)高齢のご本人の暮らし・介護・健康のこと。家族からの相談も受け付けている
大阪市:お住まいの区の区役所物がたまって暮らしに困っているとき(「ごみ屋敷」に関する相談窓口)
堺市生活・仕事応援センター「すてっぷ・堺」(電話 072-225-5659)収入や仕事、暮らしのお金に困っているとき。堺区以外の区役所でも予約して相談できる
大阪市:各区の自立相談支援窓口暮らしのお金や仕事の困りごと。区ごとに窓口の名前が違う
かかりつけの医師、心療内科など気持ちの落ち込みや、飲酒、もの忘れが気になるとき

出典:堺市「地域包括支援センター(高齢者総合相談窓口)」/大阪市「いわゆる『ごみ屋敷』に関する相談窓口」/堺市「堺市生活困窮者自立相談支援事業の実施について」(すてっぷ・堺)/大阪市「生活にお困りの方へ」(各区の自立相談支援窓口)(2026年11月に確認)

部屋の片付けを始めるとき

支援の窓口とつながり、ご本人が少し前を向けたら、住まいを整えることも、暮らしを立て直す大切な一歩になります。床が見えて、台所が使えるようになるだけで、食事や睡眠が整いやすくなります。

  • いきなり全部ではなく、寝る場所・トイレ・台所など、暮らしに欠かせない所から
  • 残したい物は、ご本人に確かめながら
  • ごみの出し先(市の制度か許可業者か)を、作業の前に決めておく

はればれは、仕分け・分別・同じ敷地内への搬出までを行い、ごみの出し先の段取りもお手伝いします。ご本人の気持ちのペースに合わせて、進め方を一緒に決めます。

はればれは、ごみを車に積んで持ち帰ること(収集・運搬・処分)は行いません。他人の家庭のごみを仕事として集めて運ぶには、市町村の許可(一般廃棄物収集運搬業の許可)か市町村からの委託が必要で、はればれはどちらも持っていないためです。ごみの行き先は出たごみの扱いでご説明しています。

よくあるご質問

Qセルフネグレクトは病気ですか?
A

セルフネグレクトは病名ではなく、自分の身の回りや健康のことを放っておいてしまう「状態」を指す言葉です。背景に認知症や気持ちの落ち込みなどの病気があることもあるので、気になるときは医療機関に相談してください。

Qうつ病とは違うのですか?
A

うつ病は医師が診断する病気で、セルフネグレクトは状態を表す言葉です。気持ちの落ち込みがセルフネグレクトのきっかけになることはありますが、同じものではありません。判断は医師に相談してください。

Q本人が「困っていない」と言って助けを拒みます。
A

厚生労働省の通知でも、本人が関わりを拒むことがあると書かれています。家族だけで説得しようとせず、地域包括支援センターや区役所などの窓口に相談してください。

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